2018-12-18

くまりはN!S!T①

入院中に多職種で行う栄養管理:栄養サポートチーム
 
(Nutrition Support Team, NST)

熊本リハビリテーション病院 リハビリテーション科/栄養管理部
吉村芳弘 


多職種で栄養管理をする時代に
 入院高齢者の栄養管理には多くのパラダイムシフトが起きつつあります。これまでの医療は比較的若年の患者が対象であり、疾患中心の医療対応であまり問題はなかったかもしれません。しかし、現在の本邦の入院患者の多くは高齢者にシフトしています。高齢者は多病であり、低栄養だけでなくサルコペニアやフレイル、認知機能低下などの複数の問題を抱えています。疾患中心の医療(疾患モデル)から高齢者中心の医療(高齢者モデル)へシフトする必要があります。高齢者モデルでは多職種チーム医療が推奨されています。栄養も同様です[1]。

1)栄養サポートチーム(NST)は病院の大黒柱
 栄養サポートチーム(nutritional support team: NST)とは、多職種で患者に適切な栄養管理を行うチームのことです。厚生労働省によると、チーム医療とは、「専門職種の積極的な活用と協働によって医療の質を高め、効率的な医療を提供すること」、とあります。ほとんどの医師にとって栄養管理はあまり得意分野ではありません。そのため、栄養、看護、リハ、歯科、検査、薬剤、などの各分野のプロ集団が共に栄養管理を行うことで栄養管理の質を上げえるだけでなく、医療の質を上げ、医師の負担を軽減することにもつながります。NSTがしっかり機能することで、カテーテル敗血症やMRSA感染症の発生率の改善や平均在院日数の短縮、合併症の減少、静脈栄養から経腸栄養への推進、経静脈ルートの統一による経費削減、などの成果が報告されています[2,3]。NSTが行う基本的な栄養管理の流れを図1に示します。栄養管理の視点から、①評価(Plan)、②実行(Do)、③評価(Check)、④改善(Act)のサイクルを患者がよくなるまで何度も繰り返します。 
NSTは職種の壁を越えたチーム医療であり、多職種のメンバーで組織されます。主な職種は図2のとおりです。NSTはある程度の規模以上の病院ではほぼ設置されています。また一定の条件を満たすことで診療報酬上の加算(点数)が認められています。栄養管理は医療の基本であり、そのためNSTは病院の大黒柱なのです。



2)NSTの一歩先へ:リハビリテーション栄養
 NSTの質をさらにあげるためにはリハ栄養の考え方が有効です。リハは超急性期から回復期、維持期、在宅、緩和ケアのあらゆるステージで必須です。さらに低栄養やサルコペニア、フレイルの改善のためには栄養療法と運動療法を同時に行うことが重要と考えられています。リハ栄養については学会ホームページ[4]や学会誌をぜひ参照してください。最新の学会誌(第2巻, 第2号)[5]にはリハ栄養ガイドラインが掲載されています。またリハ栄養関連の一般書籍も多数出版されています。この機会にリハ栄養のコンセプトについても興味を持っていただけるといいなと思います。

引用文献・参考文献
[1] 吉村芳弘. 高齢者の低栄養と入院中に多職種で行う栄養療法. レジデントノート. 2018年11月号 Vol.20 No.12
[2] 東口高志. NSTが病院を変えた!. 医学芸術社. 2003
[3] 東口高志. 栄養サポートチーム加算の新設に際して―NSTにおける病態別栄養管理の勧め―. Nutrition Support Journal. 11(1): 9-12. 2010
[4] 日本リハビリテーション栄養学会ホームページ. https://sites.google.com/site/jsrhnt/home
[5] 日本リハビリテーション栄養学会 編. リハビリテーション栄養第2巻第2号
セッティング別のリハビリテーション栄養. 医歯薬出版. 2018



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